活動報告

2018.08.27

『パノラマ世界史』中国語版刊行記念のブックトーク(上海)/ Booktalk in Shanghai : the publication of "Panorama World History" in Chinese

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2018年8月19日(日)、上海市の中心部に位置する上海展覧中心で開催中の第15回上海書展の会場で、『パノラマ世界史』(全5巻、大月書店、2015-16年刊行)の中国語版『全景世界史』(全5巻、復旦大学出版社)刊行を記念するブックトークが開催された。日本語版監修者の羽田正、日本語版第2巻著者の内田力、第4巻著者の鵜飼敦子、第3巻イラスト担当の竹永絵里、それに中国語版翻訳者の張厚泉が出席した。 上海書展は、北京における同様の催しと並び、中国で最も重要な本の展示会で、一般の人たちを対象に年に一度8月に一週間の日程で開催される。会場では、出版社が売り出そうとする本や著者についての座談会やインタビューが毎日数多く企画、実行されており(詳細は、以下のウェブサイトを参照)、『全景世界史』についてのトークもその一環として開かれた。 子供を多く含む100名ほどの聴衆で満員となった会場で、羽田が日本語版の趣旨と特徴、中国人読者に向けたメッセージを語った後、他の4名もそれぞれの立場から中国語版刊行に関わる感想を述べた。その後、聴衆と著者たちとの間で質疑応答が行われた。横から見る世界史の意味、横から見た世界史として取り上げる時代を決めた理由、『パノラマ世界史』の中国語への翻訳の意義などの本格的な質問や、中国での同様の企画やデジタル版作成への期待についてのコメントが相次いで出され、会場は熱気に包まれた。トーク終了後は、サイン会が行われ、多くの読者が著者たちのサインを求めて列を作った。 中国語版は日本語版の完全な翻訳ではなく、ごく一部に修正が加えられている。しかし、中国の過去に関わる文章や絵のほとんどは、日本語版を踏襲している。中国での一般的な見方や理解とは相違があるに違いない。翻訳者の張厚泉は、質問に答えて、この本は子供だけではなく大人にとっても十分に読む価値があると力説していたが、この翻訳がきっかけとなって、中国と日本の研究者、知識人や学生の間で新しい世界史についての建設的な意見交換が活発に行われるようになれば、素晴らしい。

(羽田 正)

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